ローン金利の主な種類としては、固定金利と変動金利があります。
固定金利は借入時に適用された金利が変わらないタイプで、変動金利は公定歩合や市場動向に連動して適用金利が変わるタイプをいいます。
一般的に、金利上昇期には、変動金利よりも固定金利のほうが適用金利が高く、金利下降期には固定金利よりも変動金利のほうが適用金利が高めになる傾向があります。 

（１）固定金利
完済まで借入れ時に決定された同一の金利が適用されます。返済額も一定なので、総支払額も予め決定することになり、毎月の支出管理や、将来の計画も立てやすいというメリットがあります。ただし、金利は他のタイプのものより高くなります。
借入れ後、金利が低下した場合は、結果的に金利負担が大きくなる可能性もあります。金利の低下幅がある程度大きくなった場合には、その時点で再度固定金利の借入れに借り換えることにより、金利負担の節減を図ることが可能です。 

（２）変動金利
変動金利は、公定歩合やプライムレートなどに合わせて金利が変動するもので、市場動向に連動して適用金利が変わるタイプです。他の金利タイプの借入れと比べると一般的にその時点での金利は最も低くなり、特に低金利下や、金利下降時期においてはそのメリットを享受しやすくなります。
適用金利が変動するので、金利が上昇すればその分金利負担が大きくなり返済額もアップします。借入当初の返済額のみならず、金利が上昇した場合でも返済可能かどうかを十分に検討する必要があります。

公定歩合は、現在は「基準割引率および基準貸付利率」と呼ばれ、中央銀行（日本では日本銀行）が、一般の銀行に融資する際の金利のことを意味します。
中央銀行の金融政策によって決められ、景気が良い場合には高く設定され、景気が悪い場合には低く設定されます。これによって、景気が良い場合には預貯金やローンの金利が上がり、通貨の流通が抑えられることとなり、景気が悪い場合には金利が低くなって、通貨の流通を促進する意味合いを持たせることになります。
近年の動向として、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件で金融不安が高まったために、日銀は公定歩合を、史上最も低い0.1%まで下げられました。2006年7月14日に、2001年3月より再実施されていたゼロ金利政策が解除され、公定歩合は0.4%となり、その後2007年2月21日には、公定歩合は0.75%まで引き上げられています。 

基準割引率および基準貸付利率(公定歩合)の推移

プライムレートとは、銀行が企業に対して融資する際に、一番優遇された金利（最優遇金利と呼びます）のことをいい、最も信用度の高い一流企業に対する最優遇貸出金利を指します。貸出期間が1年未満のものを短期プライムレート（短プラ）、1年以上のものを長期プライムレート（長プラ）と呼び、このプライムレートは各銀行が個別に定めています。
ここのところ金利が底を打っていましたが、下図のように上昇気味になっているのがわかります。 

（１）短期プライムレート
短期プライムレートは公定歩合と短期金融市場の影響を受けています。短期金融市場とはコールやCD（譲渡性預金）などの取引を指し、これらの取引が短期プライムレートを左右することになります。 

（２）長期プライムレート
長期プライムレートは、長期信用銀行などが発行する5年もの、10年ものの金融債に影響を受けます。金融債は市場で自由に売買が行われており、その時の利回りが長期プライムレートの変動要因となります。つまり、プライムレートの推移は日本経済を映し出す鏡とも言えます。 

長期プライムレートと短期プライムレートの推移